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吉田 健一よしだ けんいち

吉田健一原稿 新宿歴史博物館所蔵(外部サイト)

プロフィール

生年月日明治45年3月27日(1912年)
没年昭和52年8月3日(1977年)
職業等翻訳家・評論家・小説家
出身東京都生まれ
ゆかりの地
  • 昭和16年5月~昭和18年 諏訪町195
  • 昭和18年8月~昭和20年 牛込区内
  • 昭和28年1月~昭和52年 牛込区内

経歴

 吉田茂(元内閣総理大臣)の長男として生まれた吉田健一は、当時外交官であった父と共に、フランス、イギリス、中国など子どもの頃から海外に暮らした。中学時代に一時帰国するも、大学はケンブリッジ大学に留学し英文学を専攻、幼い頃からの海外生活で得た英語に対する感覚的な知は、他の日本の英文学者・批評家にはないものがあり、吉田の強みであった。
 帰国後、ポー『覚書』、ヴァレリー『精神の政治学』などの訳業で評価を得た。
 また河上徹太郎に師事し、中村光夫らと「批評」を創刊、書評や翻訳を載せた。昭和20年代後半から、評論のほかに小説や随筆を書き始め、29年短編小説『春の野原』を発表したのをきっかけとして、『酒宴』『残光』という2冊の短編集をまとめた。また『瓦礫の中」は、45年に発表された長編小説で、敗戦後の占領時代を描いた作品である。この他、小英文学史『英国の文学」『シェイクスピア』『ヨオロッパの世紀末』などの著作を発表し、独特の批評スタイルで注目を集めた。
 『舌鼓ところどころ』『私の食物誌』などの食べ物に関する随筆も多く、食通としても知られた。
出典:新宿ゆかりの文学者