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三上 於菟吉みかみ おときち

財団法人日本近代文学館提供(外部サイト)

プロフィール

生年月日明治24年2月4日(1891年)
没年昭和19年2月7日(1944年)
職業等小説家
出身埼玉県生まれ
ゆかりの地
  • 大正8年 赤城下町4
  • 大正8年~大正10年 矢来町3山里21号
  • 大正12年 中町24
  • 昭和2年~昭和6年3月 市谷左内町31

経歴

 埼玉県に生まれ、小学生の頃から読書に熱中し、中学校入学後は「中学世界」や「文章世界」に投稿した。早稲田大学文科予科に入学、同級の宇野浩二、広津和郎、直木三十五、三富朽葉、今井白楊らと親交を結んだ。一方で、神楽坂の芸妓となじみになり密かに同棲生活を送るなど放蕩生活が続いた。大正8年頃に、12歳年上の女流作家長谷川時雨と矢来町に同棲するようになり、時雨が亡くなるまで入籍はしなかったものの事実上夫婦であった。
 大正5年から「講談雑誌」に連載を始めた長編時代小説『悪魔の戀』が評判となり、通俗小説家としてデビューを果たした。一躍人気作家となった於菟吉のもとには様々な雑誌からの連載依頼が持ち込まれ、以後『白鬼』『日輪』などの現代物や『敵討日月双紙(あだうちじつげつぞうし)』などの髷物(まげもの)で人気を博した。
 また、伴侶である長谷川時雨の主宰する女性だけの文芸誌「女人芸術」の創刊を、資金面で助けたことでも知られる。代表作に『黒髪』『雪之丞変化』などがある。
出典:新宿ゆかりの文学者