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中村 吉蔵なかむら きちぞう

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プロフィール

生年月日明治10年5月15日(1877年)
没年昭和16年12月24日(1941年)
職業等小説家、劇作家、演劇研究家
出身島根県生まれ
ゆかりの地
  • 明治34年頃 牛込喜久井町【喜久井館】
  • 明治45年~大正2年頃 矢来町3【山里76】

経歴

 島根県に生まれる。小説家時代の号は春雨。ほかに奇痴堂、治雷(やらい)庵、兜(とう)庵とも号した。東京専門学校英文学哲学科(現・早稲田大学)卒業。在学中から「無花果」など多くの小説を発表している。卒業後に欧米に留学し、プリンストン大学在学中にイプセン劇に強い影響を受けたことで近代劇への関心を深め、劇作家となることを快意する。帰国後、本名で戯曲のみを書き続けた。島村抱月が芸術座を結成した際、舞台監督に招かれ、のち脚本部主任として活躍し、社会問題を鋭く捉えた斬新な創作社会劇を上演し、近代演劇の確立に貢献した。  晩年は早大教授として劇文学を講じ、「日本戯曲技巧論」で文学博士となった。戯曲の総数は107編にのぼり、歌舞伎や浄瑠璃脚本の研究でも多くの功績を残した。代表作に『剃刀』『井伊大老の死』がある。