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田村 泰次郎たむら たいじろう

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プロフィール

生年月日明治44年11月30日(1911年)
没年昭和58年11月2日(1983年)
職業等小説家
出身三重県生まれ
ゆかりの地
  • 昭和7年頃 諏訪町117
  • 昭和9年春頃~昭和14年頃 東大久保1-428 大久保アパート
  • 昭和15年 諏訪町82諏訪森ホテル

経歴

 田村泰次郎は三重県三重郡富田町に、中学校校長田村左衛士の次男として生まれた。早稲田大学第二高等学院に入学、同人誌を創刊し評論、小説を載せ始める。早稲田大学仏文科に進学。このころから評論、小説共に旺盛に発表する。昭和15年陸軍に応召、北中国を転戦、軍隊の実情、現地中国人の悲惨を知る。敗戦後の21年2月に帰国。従軍体験から、観念としての思想よりも、人間としての生き様や現実に生きていく肉体こそ価値があるという認識を得る。この認識から、いわゆる肉体文学を次々に発表、流行作家となった。
 代表作に、終戦後の銀座の素人娼婦たちの生活を描いた『肉体の門』朝鮮人娼婦を中国の奥地の戦場に届ける兵士を描いた『蝗(いなご)』などがある。
 新宿には、早稲田大学を卒業した昭和9年から東大久保の大久保アパートに5年ほど在住。新宿を舞台にした作品も数多く発表している。『太宗寺横丁』『冬』『崩れた街にて』『群馬調教』などがある。
また、『肉体の門』は鈴木順監督などによって4回映画化されるなど、映画の原作も多い。
出典:新宿ゆかりの文学者