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里見 弴さとみ とん

薩摩川内市川内まごころ文学館提供(外部サイト)

プロフィール

生年月日明治21年7月14日(1888年)
没年昭和58年1月21日(1983年)
職業等小説家
出身神奈川県生まれ
ゆかりの地
  • 大正7年12月~大正10年9月 右京町

経歴

 本名・山内英夫。神奈川県横浜に生まれた。作家有島武郎は長兄、洋画家有島生馬は次兄にあたるが、里見は母方の姓を継いだ。学習院高等科在学中に文学グループを作り回覧雑誌「麦」を発行。創作修行に励む。東京帝国大学英文科中退後、明治43年に両兄や、武者小路実篤、志賀直哉らと「白樺」の創刊に参加し作品を発表、「河岸のかへり」が泉鏡花に称賛された。この自己樹立期の短編小説を集めたものに『善心悪心』がある。以後も旺盛な創作振りを示し、大正中期には中堅作家としての地位を確立。右京町に暮らした大正八年には吉井勇、久米正雄、田中純と「人間」を創刊。この誌上に最初の戯曲「新樹」、名作の誉れが高い「父親」を発表した。晩年までその創作活動は衰えることなく多くの名作を生み出した。他の代表作に、独自の芸境をなす「まごころ主義」をうたった『多情佛心』、読売文学賞を受賞した『恋ごころ』、晩年の快作「極楽とんぼ」などがある。人間観察、会話に優れ、心理と風俗の巧みな描写に独自の境地を開いた。

出典:新宿ゆかりの文学者