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尾崎 翠おざき みどり

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プロフィール

生年月日明治29年12月20日(1896年)
没年昭和46年7月8日(1971年)
職業等小説家
出身鳥取県生まれ
ゆかりの地
  • 昭和2年4月~昭和3年6月 落合町大字上落合三ノ輪850
  • 昭和3年6月~昭和7年9月頃 落合町大字上落合三ノ輪842

経歴

 鳥取で生まれ育ち、10代から短歌や文章の投稿を始め、代用教員を経て日本女子大学国文科に入学し上京。しかしその創作活動が問題視され、退学することに。郷里と東京を往復する生活を数年続けた後、翠は上落合三輪の借家に住まった。翠の声掛けで近所に越してきて、親しく交流した林芙美子の随筆「落合町山川記」から当時の様子が僅かに窺える。この地で暮らした5年間に『第七官界彷徨(ほうこう)』「こほろぎ嬢」「歩行」なと、太宰治に絶賛された作品を発表。
特に『第七官界彷徨』執筆に際しては、終日落合の家の二階に坐りきりで、机に向かう翠の座布団の下の畳はそのため腐るほどであったという逸話が残っている。

 昭和7年。頭痛薬の中毒で鳥取に帰郷後、文壇から姿を消し一時は死亡説も流れる幻の作家であったが、没する2年前の昭和44年に作品の再評価・再録によって37年ぶりに再び注目され、更に没後20年頃より、女性の作家や研究者が新しく尾崎翠を読み直す機運が生まれ、作品の映画化などの広がりを見せた。
出典:新宿ゆかりの文学者