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大田 洋子おおた ようこ

財団法人日本近代文学館提供(外部サイト)

プロフィール

生年月日明治36年11月20日(1903年)
没年昭和38年12月10日(1963年)
職業等小説家
出身広島県生まれ
ゆかりの地
  • 昭和6年~昭和8年頃 落合町大字上落合545(梅田方)
  • 昭和8年 喜久井町21(稲井方)
  • 昭和10年頃~昭和11年頃 諏訪町250(昭栄館)
  • 昭和11年9月~昭和12年7月 諏訪町120(西北荘)

経歴

 本名・初子。広島生まれ。幼少期は複雑な家庭環境に悩んで過ごし、広島市進徳実科高等女学校在学中から作家を志す。不幸な結婚に苦しみ、家を出て単身上京し、半年ほど菊池寛の秘書となったこともあった。その後、尾道や大阪で暮しながら、昭和4年頃より雑誌「女人芸術」を舞台に作家活動に入る。長谷川時雨の勧めで翌5年、再び上京。他の作家との交流を深めたこの時期、落合町上落合、喜久井町、諏訪町に居を定めていた。
 昭和20年、郷里広島に疎開し原爆に遭う。このことが後半生の運命を決定し、作家活動に大きな転機をもたらした。原爆の惨状を描くことは、それを見た作家の責任と感じ、その年の内に原爆被害の記録小説『屍の街』を書き上げた。報道管制の緩んだ23年に発表され、初期原爆文学の記念碑的作品と評価される。以後も被爆体験に基づいた作品を発表し続け、『人間襤褸(にんげんぼろ)』で原爆作家としての地位を不動のものにし、30年代まで作品における原爆告発の姿勢を崩さなかった。
出典:新宿ゆかりの文学者